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2006年9月29日 (金)

田中角栄の真実

52歳の安倍総理が誕生しました。まさに華麗な家系に生まれ、銀のスプーンをくわえて育ったプリンスが、なるべくしてなったという図ですが、多くの新潟県民にはさまざまな思いが去来したのではないでしょうか。当時、もっとも若い54歳で総理となった故田中角栄は西山町の貧しい馬喰のせがれとして生まれ、学歴も家系もなにもないなかで、地べたをはうようにして政界に入り、その異能をもって頂点に立ちました。彼の唯一最大の願いは自らが生まれ育った日本海側、いわゆる裏日本にも平等に光をあて、格差をなくすことでしたが、その思い半ばにして真相不明なロッキード事件で挫折しました。いま、小泉劇場の幕が下り、都市型政治の激流に地方・弱者は辛酸をなめています。そのあとを受けて立った安倍政権は、果たして地方・弱者にも目配りできるのでしょうか。さて、世に数多い角栄本ですが、その中でも田中角栄没後1年という、まだ角さんのぬくもりが残る中で新潟日報が連載し、それを出版したものは、佐藤昭子、早坂茂三、山田泰司の3秘書をはじめ後藤田、福田、中曽根、羽田、竹下といった「戦友、政敵」にも直撃インタビューした貴重な内容でした。絶版となっていましたがようやく当社の「とき選書」の一冊「宰相田中角栄の真実」として復刻できました。復刻の前書きで新潟日報きっての田中通である小田記者は「汲めども尽きぬ井戸水のような政治家。政治をいま学んでいる、あるいは政治のことを知りたいと思っている若者たちにこそ本書は手にとってほしい」と語りかけています。本書の中では随所にロッキード事件に触れる証言があり、長く警察官僚として法律にくわしい後藤田氏が「(起訴は)本当に説明できるのかな。(証拠採用は)僕はどうしても理解できない」などと語っているのが目をひきます。本体価格1400円。好評発売中の同じとき選書「ザ・越山会」とあわせてどうぞ。

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2006年9月28日 (木)

ファイターズ万歳

北海道の皆さん、おめでとうございます。日本ハムファイターズが津軽海峡を渡って3シーズン目。レギュラーシーズン最終戦で1位通過を決め、25年ぶり悲願のリーグ優勝へ近づいたのですから、昨夜のススキノはさぞかし盛り上がったことでしょう。なんか2003年11月23日の新潟市を思い出してしまいます。北の大地に根ざそうと、アイデアをこらして誘客につとめた球団の努力が実って、札幌ドームはいつも大入り。サッカーのコンサドーレがヘタっているだけに、プロ野球の人気復活に大きな成果をあげた北海道日本ハムファイターズの功績がひときわ光るというものでしょう。それにしても、昨夜は背番号63で登場した看板のSHINJO。今期限りの引退を表明し、早速参院選担ぎ出しの動きが表面化しちゃいましたが、まだ現役で活躍してほしいなあ。ああいう濃いキャラクターは今、日本のプロ野球に絶対必要だと思います。それから、仙台の皆さん!なかなか辛いシーズンが続きますが、縦縞軍団・六甲おろしの不屈の精神を見習って、どうかあきらめずに応援を続けてくださいね。以上、はるかコシヒカリの国より。

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2006年9月27日 (水)

遅老遅死のススメ

世はまさに健康ブーム。テレビの通販番組や雑誌の広告などは健康食品や健康器具の情報であふれています。そのどれもが「すぐ欲しい!」と思わせるくらいの超絶的な効能をうたっていて、末期がんだろうが認知症だろうが、肥満も薄毛もたちどころに解決するようなものすごさ。だから日本の高齢化がこんなに進むんだ、と変なところで納得したりして。もちろん、書店に一歩足を踏み入れれば、健康関係の書籍・雑誌は数えるのも大変なくらい並んでいます。でも、そんな「健康情報土石流」状態の中にいるあなたに、肩の凝らないこの一冊はぜひとも読んでいただきたい。その名も「ゆっくり生きよう のんびりいこう 新・遅老遅死のススメ」。BSNラジオ日曜お昼の「飛び出せ健康」でお笑い集団NAMARAの江口さんと絶妙のコンビを組み、分かりやすく楽しい健康情報を届けて注目度急上昇中の佐藤万成医師が、分かりにくい専門用語を極力使わず、一話2ページの「ワンフレーズ医学書」として書き下ろした異色のもの。見出しを見ただけで今話題の健康キーワードが網羅され、しかも各項目のマンガが、これまた出色の出来。「これを読んで120歳まで長生きしましょう」と佐藤医師が呼びかける「読む家庭の常備薬」。本体価格1400円。もうそろそろ書店に並ぶはずです。

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2006年9月26日 (火)

「食べる」介護編

総合大学での広範な研究・講義の内容を軸に、中高生から生涯学習までの教材に活用できる極めてユニークなシリーズである「ブックレット新潟大学」に新刊が加わりました。シリーズ44冊目として発刊したのは「『食べる』介護編」です。このブックレットには「食べる」のタイトルで「成育編」や「新潟発」などすでに4冊があり、今回の刊行が5冊目です。新潟大学歯学部が全学を対象にしている人気の教養科目「食べる」をテーマごとにまとめて刊行しているもので「いつでも、いつまでも、元気に、美味しく食べたい」という願いを実現するための貴重なアドバイスが詰まっています。「介護編」は高齢化社会を迎えて一層重要度を増してきた分野への、いわば「ど真ん中ストライク」の一冊。本の「はじめに」の中で「介護する世代と、介護される世代には食材一つとっても大きなギャップがあります。介護を担う若く健康な方に本書を通して、日常何げなく見過ごしている自らの口から好きな食べ物を食べられる幸せを理解していただき、介護を必要とする人たちに、どのように対処して差し上げればよいのかを考えていただければ幸いです」とあるように、若いみなさんに是非ともご一読をお薦めしたいものです。執筆陣も新潟大学の教授、助教授、講師をはじめ料理研究家、特別養護老人ホーム施設長など多彩です。

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2006年9月25日 (月)

やっと勝ったねえ

アルビ、勝ちましたねえ。なんか、ものすごく久しぶりに勝ったという印象です。もう、このままJ2降格一直線は確実ではないか、というくらいのヒドイ試合が続いたあとだけに、まさに日本晴れのビッグスワンが久々に完全燃焼しました。でも、前日のガンバの試合を見た後だと、その技術の差があまりにも大きいのに驚きます。特にパスの精度ですね。これはJ2の当時からずーっと言われ続けている、いわばアルビの先天的欠陥みたいですが、監督も選手も替わっているのに、どうしてこれだけは変わらないんだろう。昨日も何度か決定的なパスの処理ミスがありました。相手がへたっていたから救われたけど、ガンバやレッズだったら3、4点はこちらのミスで献上していましたね。それから鈴木監督、どうか野澤も使ってくださいね。やっぱりミスター・アルビなんだから。それはそうと、昨日はもうひとつビッグなニュースがあったんですね。アルビレディースが得失点差とはいえ、ついに首位に立ちました。大原もしぶとく負けないけど、もうこうなったらアルビL、持ち前の爆発的な得点力を発揮し続けて悲願の「なでしこ1部」へ行っちゃいましょう。

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2006年9月22日 (金)

国歌、国旗の尊厳

東京地裁のいわゆる「君が代訴訟」判決。個人的に私は釈然としない思いがあります。個人の思想の自由を制約することは認められない、というのは常識です。しかし、教師という次代の世界を担うべき子どもたちに責任を負う特別な立場の、その中の極く一部の人が「その職場、その職務、すなわち教育の場において」個人の主張を優先させ、子どもたちを巻き込んで国旗や国歌、ひいては祖国や家族への尊敬の念を失わせるような行動は、絶対にあってはならないことだと思うのです。今回の訴訟のキモは、東京都がこうした教師に対して罰則まで定めて強制したことの是非です。それは確かに行き過ぎがあったかもしれません。しかし、だからといって「日の丸、君が代は明治時代以降、第二次大戦終了まで皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことがある」から「現在も国民の間で価値中立的なものと認められるまでには至っていない」として「公立学校の入学式、卒業式で国旗掲揚、国家斉唱に反対する者も少なからずおり、こうした人の思想良心の自由も公共の福祉に反しない限り、憲法上保護に値する」とした裁判長の判断はいかがなものでしょう。国旗や国歌はその国家や国民を象徴する尊敬すべきものとされるのは世界の常識です。日本だけでなくイギリスもアメリカもオランダも、多くの国がその歴史の中で侵略戦争や残虐な植民地支配を行ってきましたが、だからといって国旗や国歌を尊敬しない(ことを教える)自由、などというものを学校という特別な場で認めているでしょうか。それが公共の福祉に反しないなどという判断がまかり通っているでしょうか。わが国の異常としか思えない社会情勢を考えるとき、教師たる人々の矜持に期待するところ大であることを、是非ともわかってほしいと思うのです。

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2006年9月21日 (木)

秋晴れの日は

新潟大人の遠足」がおかげさまで売れ行き好調です。秋空が気持ちよい季節になってきて「さて、今度の休みにはぶらりと出かけてみるかい」などという夫婦や親しい友人の会話に、この本は本当にお薦めです。マイカーで良し、公共交通機関で良し、歩いても良し。さまざまな選択肢を50コースも取りそろえているのですから。そして、こうした「遠足」の大きな楽しみのひとつが食べることですね。磐越西線SLの旅で運が良ければ手に入る「幻の駅弁」といわれる日出谷駅のとりめし、河井継之助や山本五十六の好物だったといわれる長岡「みやじさま」の茶屋にしんなど、話の種になる食べ物も多く紹介しています。そんなに珍しい食べ物でなくても、例えばラーメンなども県下に数あるお店にはそれぞれの特徴があり、隠れた逸品も少なくありません。当社ロングセラーの双璧である「新潟ラーメン食べ歩き」と「ぶらり日帰り立ち寄り湯」も、どんどん新しい情報を盛り込んで改訂を重ねていますので、あわせてご活用いただきたい一冊です。

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2006年9月19日 (火)

基準地価と政令市

全国の基準地価調査結果が発表されました。三大都市圏で地価下げ止まりから一部上昇へ、という反面で地方は依然として地価下落、つまり地域の魅力下落傾向が続いています。まあ、予想されたことではありますが。わが新潟県でも三大市で下落鈍化の動きがあるものの、全般的には下落しています。そうした中で新潟市中心部のマンション建設ラッシュが続いており、その目論見として開発業者のなかに政令指定都市効果への期待を挙げる声があるそうです。大丈夫なんでしょうか。全国の先輩政令指定都市をながめてください。札幌、仙台から名古屋、京都、広島といったところの都市機能集積度は、新潟市なんかはとてもじゃないですが遙かに及ばない高いレベルです。新潟市が政令市になるといっても、もともと中心市街がスカスカになっている、いわば骨粗鬆症の街に周辺の市町村を合併して見せかけの総人口だけふくらましたのであって、他の政令市のような骨太の都市機能はない、という点で特異なのです。支店経済で確固たる地位を築いている近隣の仙台市や金沢市に、どうしても追いつけない新潟市が、看板だけでも威張れる材料を、ということで無理矢理政令市になるとしたら、なんか恥ずかしい気分です。かつて新潟国体で県外から選手をかき集めて初の天皇皇后杯獲得を成し遂げ、その後の国体のあり方に重大な疑念を残してしまった轍を踏まなければいいと思います。

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2006年9月15日 (金)

遙かな尾瀬

きょう配信された泉田知事のメルマガは、知事自らが参加した尾瀬への新潟ルート踏査について書いていました。普通、尾瀬へは群馬県か福島県から入るのですが、新潟ルートはほとんど「登山」をしないですむ沼山峠へ直結する大変楽なコースです。私もこのルートは以前、何度も通っているのですが、銀山平から奥只見湖の周囲を巡って行く国道352号は10数年前まではいたるところ未舗装、未改良で岩がごろごろしている狭い急カーブ(踏み外せばはるか下の湖へ真っ逆様)をのろのろと車を走らせて大変な時間と冷や汗を費やした道でした。最近では改良も進み、トンネルもできて走りやすくなっているのですが、残念なことに1年のうち3分の2以上の期間は雪(雪崩)のため通行止めです。昔はこんな奥地にも開拓部落がいくつもあって、電気もない中で大勢の子どもたちが元気に山の分校で勉強していたんだそうです。あと、シルバーラインを抜けた奥只見ダムから遊覧船で尾瀬口まで渡り、そこから車で沼山峠というすばらしいルートもあるのですが、尾瀬口からのバスがうまくつかまるかどうかという問題はあります。いずれにしても、新潟ルートはすばらしい大自然の景観を満喫できる反面、厳しい自然のための制約も大きいわけですが、それはそれで他とは違う魅力ですから安易に便利にしない方がいいのではないかと思います。2001年に当社がお手伝いして「銀山拓殖株式会社社史」を発行しましたが、奥只見から尾瀬口にかけての昔の様子が豊富な写真とたんねんな取材とで再現されたすばらしい一冊です。非売品ですが図書館などで手に取ることができます。ご一読をお薦めします。

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2006年9月14日 (木)

DD53ばんえつ物語号

今朝の日報にJR磐越西線を走る人気列車「SLばんえつ物語号」の機関車が10月下旬から臨時編成になることが載っていました。人気の「貴婦人」C57-180が”検査入院”するためで、代役の目玉がDD53というディーゼル・ロータリー除雪車です。このニュースは鉄道マニアの間では周知の事実で、全国的にビッグ・ニュースとしてネット上をにぎわしています。新聞にもあったようにDD53というのは日本海側の重い雪に対応すべく開発された強力除雪車で、わずか3両のみの製造。ウィキペディアによれば、すでに1号機は廃車されて碓氷峠鉄道文化むらに静態保存、3号機も廃車済みで、唯一2号機が長岡運転所で現役という、まさにレアものです。除雪能力が強力すぎて、飛ばした雪が沿線民家の窓をぶち割ってしまったという伝説?を持つモンスター。晴れの舞台は11月3、4、5の3日間だけ。ただし運転区間は新津と会津若松の間ですので、新潟駅では見ることができません。きっと沿線は全国から詰めかけたマニアがカメラの放列をつくることでしょう。そんな方々にはぜひとも新潟みやげに「新潟県の廃線を歩く」を買って帰っていただけたらシアワセです。

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2006年9月12日 (火)

だだ茶豆?

新潟駅構内、新幹線コンコース近くの一角に店を出している野菜の屋台で「黒埼だだ茶豆」と説明の付いた商品がありました。「えっ」と思わず足を止めて確認してしまいました。茶豆といえば新潟県では「くろさき茶豆」が立派な全国ブランドで、その姉妹ブランドとして同じ黒埼地区の「びかり茶豆」や「みかずき姫」も売り出し中ですが、もとをただせば山形県は鶴岡の「だだ茶豆」を改良したものです。つまり「だだ茶豆」は「くろさき茶豆」の先祖であり、あくまでも山形県産のものを言うのです。そりゃ、新幹線で新潟駅に降り立った観光客の方々は「茶豆」の名前に「黒埼」と「だだ」の両方が付いていればとびっきりの極上品と思うかもしれません。でもそれじゃあ「甘ナンバンエビ」なんて言うか、ということだと思います。ホッコクアカエビは新潟では「ナンバンエビ」であって、富山や石川のような「甘エビ」では断じてないことは皆さんご承知の通りです。新潟の海水浴場にあるのは「浜茶屋」であって「海の家」では断じてないのと同じです。もっと地場のブランドを大事にしなくては、と考えた次第です。ところで茶豆つまり枝豆ですが、くろさき茶豆もおいしいけれど、実はとびっきりの枝豆というのがあるんですね。お正月のおせち料理に欠かせない高級品「丹波黒豆」の枝豆です。粒は普通の枝豆の1.5倍くらいもあって、その甘みときたら絶品です。めったに市場には出回らないそうですが、うんと遅い初冬のころが旬の兵庫県名産です。

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2006年9月11日 (月)

5年目の9.11

あの9.11から5年が過ぎました。あの日のテレビで、世界貿易センタービルが崩壊する映像を見て、自分の目が信じられませんでした。長くニューヨークの、アメリカの象徴であったツインタワーが濛々たる煙の中に消えていくのを見ていて、この社会は何でもあり、の社会になってしまったと痛感しました。あの日以来、ブッシュ政権はアルカイーダ殲滅を目指してアフガニスタンに侵攻。さらに「悪の枢軸」の一員として名指ししたイラクへも侵攻。イランや北朝鮮への圧力もかけ続けていますが、これらの「報復」はどれも大義名分が怪しくなってきているようです。アメリカは自国本土での戦争というものを南北戦争とハワイ真珠湾攻撃以外に経験していないだけに、直接攻撃で非戦闘員3000人もの生命が失われたことへのショックが大きかったことは理解に難くありません。でも沖縄、広島、長崎をはじめベトナム、カンボジア、イラクなど枚挙のいとまもないほどの「アメリカによる被害」の痛みには意外に鈍感のようです。いま世界のイスラム圏で沸騰しようとしている反米の気運は、まさに「憎悪が憎悪を生む無限連鎖」であることをブッシュ政権に理解してほしいと思います。

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2006年9月 7日 (木)

平成の快男児

すごい本ができました。近藤亨著「秘境に虹をかけた男 ネパール・ムスタン物語」です。なにがどうすごいか、は本の帯に作家・北方謙三さんが寄せた「近藤亨という一代の快男児の記念すべき一冊」という言葉に尽きるでしょう。近藤さんは新潟大学農学部助教授から県園芸試験場の研究員となった農業技術者で、1976年にJICAの果樹栽培専門家としてはじめてネパールへ行き、以来一貫してネパールの振興に尽力した人です。それだけでも十分にすごいのですが、本書はそのあとの尋常ならざる近藤さんの行動が主題となっています。くわしくは読んでいただきたいのですが、JICAを定年退職した近藤さんは家族や知人の止めるのも聞かず、単身ネパールの、さらなる秘境であるムスタンへ渡り、農業指導や学校の建築など奉仕活動に邁進しています。現在85歳。標高3000mという厳しい土地での仕事のさなかに突風にあおられ馬から落ちて大けがをし、現在新潟市内の病院で治療中ですが、なお情熱は衰えを知らず「秋には必ず夢の現場ムスタンへ戻る」と言い切る近藤さん。まさに平成というよりは明治、大正のころの「快男児」を見る思いがします。定価1500円(1429円+税)。

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2006年9月 6日 (水)

紀子様ご出産

秋篠宮紀子様が男子をご出産とのこと、まずはおめでたいことです。少子高齢化が進むこの国にあって、3人の子をもうけるということは立派なこと。このうえは広く国民全般が安心して2人目、3人目の子どもを出産し、育てることのできる社会をつくっていきたいものです。紀子様は結核予防会の総裁です。先にこのブログの「風立ちぬ」の項で堀辰雄の作品に触れました。結核をテーマにした小説ですが、作者の堀辰雄自身が結核で亡くなっています。小説家で結核と言えば正岡子規。「子規」というペンネームが自ら結核を患っていて血を吐いて死にゆく身であることを現しているのですね。司馬遼太郎の「坂の上の雲」では子規の結核との壮烈な闘病を描いていました。明治期には「死病」と恐れられた結核ですが、最近はなんとなく「終わった病気」というイメージが強いようです。でも実際は世界の総人口の3分の1が結核に感染していて毎年200万人が命を落としているそうです。日本国内でも毎年3万人が新たに結核患者となり、2000人が死亡しています。特に最近は大都市部で若い人の結核集団発生が目立って増えているとか。そして、この結核とエイズが合併すると絶体絶命なんだそうです。咳がなかなか止まらないときなどは風邪かな、と軽く考えないで医師の診察を受けましょう。。

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2006年9月 5日 (火)

黄龍・九寨溝

世界遺産に登録されている中国の黄龍・九寨溝への旅への誘いを受けて、すっかり行くつもりになっていたのですが、いろいろ身辺の事情が生じて今回は見送らざるを得なくなりました。テレビの紀行番組で見て、その景色の異常なまでの美しさを是非ともこの眼で確かめたいと思っていた矢先のタイムリーな誘いだったのです。残念です。標高3000mを超す高地に点在する無数の池、滝、渓流。テレビを見ていてさえも、どうしてあんなに不思議な色の湖ができるんだろう(科学的には理解できるんですが)と口をポカンとあけてしまうほどの圧倒的な景観は、きっといずれかの機会に訪れるまでの楽しみにしておきます。ここで有名な景色のひとつが棚田状になった池群です。人が手を加えたわけでもないのに、見事な棚田の畦(?)の造形は山古志や松之山とうり二つ。取りあえずは「にいがた絶景との出会い 農村風景」とか「松代・松之山の原風景 棚田」で美しい写真を眺めて想像の翼を広げることにします。

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2006年9月 4日 (月)

3D絵本

3D絵本って知ってますか?インターネットで検索するとヒットする数がもっとも多いのは「目に効く 3D絵本」というようなタイトルです。ほら、よくありますよね左右に少しずれて印刷された絵を、じっと見つめていると、ある瞬間に立体的に見える、っていうアレを使った絵本です。視力回復や疲労回復にいいとは知りませんでした。左右が赤と青のメガネをかけて見ると立体的に見える絵本もあります。それからデジタル技術を使って造った3Dオブジェクト(パソコンで使う専用の制作ソフトがいろいろ出ています)を紙に平面的に印刷しただけのもの。それから電子ブックで3Dオブジェクトを3Dとして表現したもの。まずこんなところのようです。ところが先日、目からウロコで驚いたのは、アメリカで3D絵本とか3Dブックというと、ページを開くと折り畳んである動物や景色が起きあがって来る、昔からあるあの絵本のことも言うのですね。「飛び出す絵本」とか「立体絵本」と言えば、たいていの人は懐かしく思い出すでしょう。3D、つまりスリー・ディメンション。三次元の立体を現すこの略語は最近のIT革命の中で盛んに使われるようになり、それはまさにIT的な仮想立体のようなものを狭義に意味するように思われていますが、何のことはない、アナログの時代から私たちは3D絵本に親しんでいたんですね。最近言われる3Dは、まさに立体であるかのように見せるもの。昔の飛び出す絵本は折り畳んだ平面の紙が立体であるかのように想像させるもの。こどもの想像力を養う上ではどちらが有効なのか考えさせられます。

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2006年9月 1日 (金)

沖縄戦新聞

「全国地方新聞社 ふるさとブックフェア」が旧新津市役所近くの「本の店 英進堂」できょうから始まりました。北海道から沖縄まで35の地方新聞とその系列出版社が選りすぐったおよそ500点、2000冊もの郷土出版物が展示即売されます。昨日、準備中の英進堂さんへ行って来ましたが、とにかく陳列された本の多彩さには驚くばかりです。あの新聞社はこんな出版をしているのか、と感心するものが多く、どれも購入したくなりましたが、私が一番驚き、感動したのは琉球新報社が出している「沖縄戦新聞 当時の状況をいまの情報、視点で」という、恐らくこれまでどこの新聞社も手がけなかったすばらしい一点です。これは同新聞社が昨年連載して新聞協会賞を受賞したもので、箱を開けると4ページの新聞が14種類入っています。新聞はすべて現在の記者が執筆し、現在の設備で印刷されたものですが、それぞれのニュースは沖縄戦当時の新聞に準拠しています。つまり、戦争当時は大本営発表ばかりで威勢のいい記事だけを掲載していた反省に立ち、同じニュースを戦後の豊富な情報で正確に再構成して新聞にしているのです。それだけに内容はあまりにも悲惨です。米軍が上陸してきて追いつめられた住民が家族同士、近所同士、あるいは教師が児童を殺し合った「集団死」の真相などはその典型でしょう。使われている写真は当時のものをデジタル処理して極めて鮮明。それがまた、戦争のむごさを浮き彫りにします。この「沖縄戦新聞」は800円。数に限りがあるのでお早めに。

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