田中角栄の真実
52歳の安倍総理が誕生しました。まさに華麗な家系に生まれ、銀のスプーンをくわえて育ったプリンスが、なるべくしてなったという図ですが、多くの新潟県民にはさまざまな思いが去来したのではないでしょうか。当時、もっとも若い54歳で総理となった故田中角栄は西山町の貧しい馬喰のせがれとして生まれ、学歴も家系もなにもないなかで、地べたをはうようにして政界に入り、その異能をもって頂点に立ちました。彼の唯一最大の願いは自らが生まれ育った日本海側、いわゆる裏日本にも平等に光をあて、格差をなくすことでしたが、その思い半ばにして真相不明なロッキード事件で挫折しました。いま、小泉劇場の幕が下り、都市型政治の激流に地方・弱者は辛酸をなめています。そのあとを受けて立った安倍政権は、果たして地方・弱者にも目配りできるのでしょうか。さて、世に数多い角栄本ですが、その中でも田中角栄没後1年という、まだ角さんのぬくもりが残る中で新潟日報が連載し、それを出版したものは、佐藤昭子、早坂茂三、山田泰司の3秘書をはじめ後藤田、福田、中曽根、羽田、竹下といった「戦友、政敵」にも直撃インタビューした貴重な内容でした。絶版となっていましたがようやく当社の「とき選書」の一冊「宰相田中角栄の真実」として復刻できました。復刻の前書きで新潟日報きっての田中通である小田記者は「汲めども尽きぬ井戸水のような政治家。政治をいま学んでいる、あるいは政治のことを知りたいと思っている若者たちにこそ本書は手にとってほしい」と語りかけています。本書の中では随所にロッキード事件に触れる証言があり、長く警察官僚として法律にくわしい後藤田氏が「(起訴は)本当に説明できるのかな。(証拠採用は)僕はどうしても理解できない」などと語っているのが目をひきます。本体価格1400円。好評発売中の同じとき選書「ザ・越山会」とあわせてどうぞ。
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