夏の記憶
お待たせしました、梅雨明けです。先週末の天気図を見て、これは梅雨明けになるな、と分かってしまった私は気象予報士並みでしょうか。夏の記憶というのは人間の脳のヒダの奥深くに刻まれるらしく、いつまでも忘れないような気がします。セミの合唱、磯の香り、盆踊りの太鼓の音、花火の輝き-。そんなことをふと思い出させるこの季節が好きです。それと、もうひとつ好きなのが道ばたの狭い畑にトマトが赤い実を付け、トウモロコシが天に向かって精一杯背伸びしているのを見ると、夏休みに帰省してくる子どもや孫に食べさせようとおじいちゃんやおばあちゃんが丹精している楽しそうな様子が目に浮かぶことです。人の一生を一年に例えるなら、夏は青年期。しかも真夏は二十歳前後というあたりなのでしょうか。「暑かったけど、短かったよな。夏」という映画「稲村ジェーン」のせりふと「真夏の果実」のメロディに、人生の真実を見る思いがするのであります。もっとも、最近の中学生や高校生の中には、すっかり人生の真夏を過ぎて秋風が立っているような顔が見えて気がかりではありますが。でもって、夏というと読みたくなる本、ありますか。私はなぜかアーサー・ランサムの「海に出るつもりじゃなかった」を書棚から引っぱり出したくなるのです。ランサムのシリーズはどれも潮の香りが一杯で、今風に言えばマイナスイオンが充満した物語だからでしょうか。
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